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YASUTOSHI EZUMI

CEO / デザイナー 江角泰俊氏

2017.03.29

Creator

−デザイナーを志したきっかけを教えてください。

 

高校生の頃からファッションが好きで、最初はスタイリストになりたいと思っていました。

 

実家が島根なのですが、大阪の短大に入り18歳からファッションを勉強し始めました。スタイリングというよりも、服を作ったときに物作りの方が面白いと思い、ファッションデザイナーを志しました。

 

当時全盛だったアレキサンダー・マックイーンが特に好きで、彼を調べていたらセントラルセントマーティンズ美術学校出身ということで、興味が湧いてきて、二十歳でロンドンに留学し、セントラルセントマーティンズ美術学校に行きました。 

 

 

 

−コンセプトはどのような経緯で決まったのですか。

 

ロンドンから日本に帰ってきてから始める前に1年間いろいろ考えていて、

 

コンセプトが「ロジック」、日本語でいう「理」なのですが、理にかなったものをつくりたいという思いからロジックにしました。

 

実家が出雲のお寺で小さい頃からそういった心理や物理だといった何かしらの理にかなった、物のことわりや心の理などがバックグラウンドにありました。生産やデザインに関してもなにか理由があるという風に考えました。

 

 そこで、理にかなったものということで「理」がブランドコンセプトになりました。漠然としていると長く続か無いし、しっかり芯がないとぶれるという、自分の背景を見直してそれが出てきました。

 

日本に帰ってきて、日本での自分の生まれ育った環境であったり、ロンドンに行っていたときの外国人の立場である日本人というものを持ちながらの経験や、日本に帰ってきてから一度京都の方に修業に行った経験を経てこのようなコンセプトに至りました。

 

 

 

−普段の服作りの発想はどのようなところからスタートしますか。

 

 まずはリサーチから入ります。

 

セントラルセントマーティンズ美術学校時代のやり方が自分に根付いていて、この学校はプロジェクト型でなにか大枠の中で1つサブジェクトを選んでリサーチをしていきます。図書館やギャラリー、マーケットに行ったり写真を撮ったりと、いろんなそのサブジェクトに対するリサーチをしていく中で、発想を広げていくような方法です。

 

毎回膨大な資料を集めて、もちろんファッションに関連したサブジェクトであったり、リサーチもしていくのですが、ここ数年は建築/構造というサブジェクトに興味が強く建築家の友人とコンセプトなどについて話すこともあります。

 

なぜ建築かというと、ファッションと建築は構造という意味でどういう構造で作るかというコンセプトで今の僕にとって転換しやすいのでそういうところからスタートします。

 

 

 

デザイナーによって癖があり、僕は構築的だったり直線よりなものが性分に会うのでここ数年はそれでやっています。 

 

テーマに関しても試行錯誤していくなかで自分に合ったものを試して好きな物を絞っていくとスタイルになっていくので、そういう意味でも今は建築に集中してやっています。

 

 

 

−仕事をする上でのやりがい、楽しみ、苦労する点を教えてください。

 

苦労する点は、物作りをする大変さや、経営の事もありますし、ファッション業界の状況が苦しい中でどうやっていくかなど、大変なこともありました。

 

最初は1人で始めたので毎朝行って夜中まで働き帰宅するのが1時、2時で土曜、日曜もそれが続く状況が2年ほどあったのですが、少しづつ大きくなってきて人が入ってきてくれて回るようになりましたが、最初はお金もなかったですし大変でした。

 

やりがいや楽しみはすごくあります。

 

物を作って服が出来てそれがよかった時はもちろん嬉しいです。

 

 特にプロになって嬉しいと思ったのは、出来上がった服を知らない誰かが買って喜んでいたり、お客さんがまた買いにきてくれたり、自分の作ったもので優越感を感じてもらえたり、着て楽しんで貰える事がすごく楽しみですし、やりがいがあります。

 

ファッションショーも好きなのですが、ファッションショーを開催するまでにかなりの苦労もあります。

 

ファッションショーが終わった時の出た反応で感触が分かるのですが、いい時は純粋に褒められるのが嬉しいですし、上手く行かなかったときは悔しいです。 

 

そういう事が半年に1回あるというのはすごく浮き沈みもあるけれど平凡ではなくて、半年に1回、自分が作ったものを全部ぶつけて評価されて、僕はデザイナー兼経営者でもあるので、そういった意味でもいろんな角度からの反応があってそれも含めて楽しいですし、やりがいを感じます。

 

 

 

−クリエイターの立場として、JAFIC PLAT FORM(JPF)の存在意義をどう思いますか。 

 

互いに利益がある繋がりという点で、JPFというシステムはすごくいいと思います。企業の人との出会いのきっかけとしてはいいと思っています。

 

ただ、互いのことを明確に知らないケースが多いと思います。

 

企業側がどういう物が欲しいか、クリエイター側がどういう物が出来るかとなど、もっと明確に分かることができればもっとマッチングが進むのではないでしょうか。

 

もっとJPFを通して即座にマッチングできれば良いなと思います。

 

JPFのホームページで、クリエイター側の情報をSNSと連動するなどして、もっと簡単でかつリアルタイムな情報が見られると思います。

 

 

 

−ご自身のキャリアを振り返って、ファッションに興味のある若者へファッションをより楽しみ、関わっていくためのアドバイスはありますか?

 

自分が着ているものを褒められたら嬉しいでしょうし、そういった単純な所から着ていると思うのですが、いろんな経験や場面に行くことによってファッションの必要性も出てくるし、東京という場所はすごくファッショナブルな場所なのでそういう意味で感化されていくと、さらに試したくなってそれがまた楽しみになっていくのではないかと思います。

 

 

 

着るという楽しみはもちろんあるのですが、作るという楽しみもあるので、自分で作って服にしてみたら楽しいのではないかと思います。

 

 類似している商品が多い中で、少し変えて個性を出していくのもファッションを楽しむコツなのではと思います。

 

デザイナーでもあり、経営者である江角さんのお話は、とても興味深かったです。 

 

コンセプトの「LOGIC(ロジック)」のお話では、ご実家がお寺ということや、ロンドン時代のことなど江角さんの経験から成り立ったものであるという経緯が大変印象に残りました。

 

また、学生に寄り添った目線でお話をして頂きました。アトリエも見学させて頂いたりと、大変貴重な経験となりました。

 

お忙しい中、お時間を頂きましてありがとうございました。  

 

上村桜子(大妻女子大学 家政学部)

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